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有機農業の話題 キルギスの例(『ほっとニュース』2019.5.9)

このコラムでは、こだま舎会員向けの会報から記事を掲載しています。

 

有機農業の話題 キルギスの例

 

キルギス 100%有機を推進

(2019.3.24日本農業新聞より)

 

中央アジアのキルギスは、有機農業に力を入れる。議会では現在、100%有機農業を目指す法案を検討している。山岳地帯の冷涼な気候条件などを活かし、輸出競争力を高め、国内人口の30倍も多いユーラシア経済圏に売り込む狙いだ。

同国は、山岳の9割が1500メートル以上で、4割が3000メートル以上となっている。気候が冷涼でかつ乾燥し、年間を通じて日照時間が長く、水資源も豊富だ。農作物の病虫害も少なく、有機栽培に適するといわれている。

同国は2017年、22年までの有機農業発展計画を打ち出した。今後10年間で化学合成農薬や人体に有害な殺虫剤の使用を禁止し、既存の農業を100%有機農業に転換する目標を掲げた。議会も現在、100%有機農業の目標を掲げた法案を検討している。

法案作りには、有機農業振興を通じて、周辺国との差別化を図り、農産品の輸出拡大につなげる狙いもある。ロシアなどでつくるユーラシア経済連合(EEU)への加盟を契機に、農業国としての強みを生かし、経済活性化を目指す。ユーラシア経済圏には、同国30倍に近い約1億8000万人(17年)の市場があるからだ。

同国の有機農業支援に携わる国際協力機構(JAICA)の関係者は「ウズベキスタンや中国に囲まれ、量的には競争力が弱い。高品質に勝負をかけ、農業を輸出産業のエンジンにしたい考えがある」と分析する。

 

 

 

一言感想

有機農業と一口に言っても、背景になる考えは様々だと思いました。自給率が年々下がり続けるわが国にとって格好な輸入先になりますかね。「安全・安心」食品を安値で得たい消費者にとっても魅力がありそう。いつだったかの日本農業新聞に「安全・安心」の有機産の輸入果物が飛ぶように売れたと報道されていたことがありました。

また、こだま舎の扱い品の中にも材料になる有機野菜等を日本以外の国に農地を確保し生産しているケースもあります。

このキルギスの例では、モノとしての「競争力」も重要事項のようです。日本でも輸出に力を入れ、農業活性化しようと後押ししていますが、やはり「安全・安心」が「売り」になっているようです。これほど低い我が国の自給率下で、輸出政策も何だかねぇ、と思ってしまうのですが。

「安全・安心」「競争力」「国内産」等々、みなさんはどうお考えですか?      

(山崎久民)

author:こだま舎, category:-, 08:38
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EU有機農業拡大(『ほっとニュース』2019.5.2)

このコラムでは、こだま舎会員向けの会報から記事を掲載しています。

 

日本では広がらない有機農業、というより農業自体が重要視されていない、とつい嘆き節になります。EU諸国の拡大状況の背景に消費者の関心の高さがあるようですね。また、中央アジアのキルギスで

は「100%有機」をめざす(詳しくは次回に)とのこと。国の政策のありようも大きいと感じます。

 

EU有機農業急拡大

(2019.3.13日本農業新聞より)

 

欧州連合(EU)で有機農業の拡大が加速している。有機認証を受けた農地と転換中の農地の面積を合わせると、2017年までの5年間で25%増え、EUの耕作面積の7%を占めるまでになった。一方、日本での有機農業の面積割合は1%にも満たない。EUでは、有機食品に対する消費者の関心の高まりに旺盛な需要があり、生産拡大を後押ししている。

 

EU統計局が発表した面積は計1256万ヘクタール。最大はスペインで、208万ヘクタールとEU全体の16.6%を占める。野菜や果樹などを中心に輸出が多い。2位はイタリアで191万ヘクタール(15.2%)、3位はフランスで174万ヘクタール(13.9%)と続く。面積が減ったのは28カ国のうち英国など4カ国だった。

各国の総作付面積に占める有機農地の割合はオーストリアが23.4%で最も多かった。条件不利地が多く、小規模経営が主体の環境で、有機農業に付加価値を見いだしてきた歴史があり、国の政策も環境保全型農業に手厚い。

 

15年のEU全体の有機食品の総売上高は約3兆6000億円。08年から年平均7%以上の伸びを続けてきた。食品安全や環境配慮に対する消費者の目が厳しく、需要拡大の要因となっている。

EUでは、近年、農業予算圧縮への圧力が大きい。消費者の理解を得ながら予算を確保するため、環境保全型農業への予算の重点化が進む。こうした傾向は今後も続くとみられる。21年から新たな共通農業政策(CAP)も環境保全型農業へのあり方が大きな焦点になっている。

 

日本の作付面積に占める有機農業の割合(17年)は0.5%、欧米と比べると生産者、需要ともに規模は小さい。

 

有機農業やEUの農業政策に詳しい東北大学大学院の石井圭一准教授は、日本で有機農業を拡大する課題として、欧米と比べ高温多湿など気候によるハンディがあるとした上で、「公的機関から協力を呼びかけ、栽培技術の研究を活発化させることが重要だ」と指摘する。

 

author:こだま舎, category:-, 08:00
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国内産野菜事情(『ほっとニュース』2019.4.25)

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国内産野菜事情

 日本の食料自給率の低さはよく知られていますが、野菜に関して国内産率はかなりの高水準であったように思います。こだま舎周辺のスーパー等の野菜売り場では、国内の産地表示がある野菜が大半を占めているようですから、どうもピンとこないところがあります。外食や加工品などで輸入野菜が多く使われているとの統計結果もあるところから、そうした私たちの外食や加工品などへシフトしていることが、このような事態を招いているのでしょうか。以下の記事には国内産への需要が高いと書かれていますが、価格がそこそこならばと但し書きがつくのでは?

 

国内産地の基盤強化を 「増える野菜輸入」(2019.2.22日本農業新聞より)

 

野菜の輸入が増えている。財務省の貿易統計によると、2018年の生鮮野菜の輸入量は17年比14%増の95万トンと、05年以来の高水準。冷凍野菜は過去最高の約105万トンに達した。国産の作柄不良による高値が要因だ。輸入野菜の定着を防ぐためにも、今こそ国内産地の基盤強化が欠かせない。

生鮮野菜の輸入量は、安全性への懸念などから伸び悩んでいた。だが、18年には国産野菜の高騰を受け、1月から輸入が前年を上回った。3月には単月として13年ぶりに13万トンを記録。梅雨明け以降も不順な天候が影響し国産が再び高騰し、7〜11の輸入量は前年を上回った。

品目別にみると、結球野菜の増加が目立つ。伸び率が最も高かったのはハクサイで、17年と比べて6.4倍の1万6451トン。次いでキャベツが2.4倍の9万2357トンとなった。市場関係者は「輸入物は長期契約取引するケースが多い」と指摘、19年以降も高水準の輸入が続くとみる。

過去最高の輸入量を記録した冷凍野菜は、2年連続で100万トンを超えた。生鮮野菜の高騰が主因だが、日本冷凍食品協会によると「年間を通じて安定価格で販売している点が評価されている」とみる。冷凍野菜は長期保存ができるなど利便性があり需要が高い。このためスーパーだけでなく、コンビニやドラッグストアでも扱う店舗が増えている。労力不足を背景に、大手外食店でも調理済みの冷凍野菜を使うケースも多い。

心配なのは輸入野菜の定着だ。実際、生鮮のハクサイとキャベツは、国産の出回りが秋以降に増えても輸入が減らず、輸入に需要が奪われ、11月、12月の国産の価格は平年を下回った。価格と安定供給を“武器”に、輸入野菜が加工・業務用市場のシェアを拡大している。

女性の社会進出による共働き世帯や単身世帯の増加、高齢化の進行などで食の外部化や簡便化は進み、ますます加工・業務用需要が高まることは必至で、国内産地の対応が急がれる。

実需側の国内産地への期待は高い。流通加工業者を対象とした農水省の国産原材料の使用割合調査(17年度実施)によると、「外国産を増やしたい」が1.3%だったのに対し、「国産野菜を増やしたい」が38%に上った。首都圏のスーパーでは、国産にこだわった冷凍野菜を販売したところ、売り上げは前年比2割近く伸び、安全・安心につながる国産ニーズは高いことがうかがえる。

追い風は、食品表示基準の改正だ。22年3月末までにすべての加工食品に原料原産地の表示が義務付けされる。輸入野菜の利用が多い加工業者の中には、国産に切り替える動きが出てくることも想定される。

こうした国産への期待や制度変更に伴う動きを好機と捉え、輸入に負けない強い産地づくりが求められる。

author:こだま舎, category:-, 08:46
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富山だより Part 13 色んなシゴト(『ほっとニュース』2019.4.18)

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富山だより Part13

色んなシゴト

篠島ゆき野

 

4月に入ってから雪が降り驚きましたが、周りを見渡すと桜が咲き始め、田園風景にひっそり咲き誇るピンク色を見ると嬉しい気持ちになります。

 

こだま舎でいくつかのワークショップを開催させてもらい、それが土台となってこちらでも小さな小さな新しいことに挑戦しています。

題名にはシゴトと書きましたが、お金にならないシゴトがほとんどです。道の駅のバート以外にざっと箇条書きしたいと思います。

 

・翻訳               ・スナック

・英会話教室            ・村づくり検討委員会

・祭りの出店手伝い         ・ライター

・田植え              ・野菜の配達

 

地方は若者が少ないため、やりたいと思ったら率先してやらせてくれます。

英語ができますと自己紹介したら、英会話教室を始めることになっていました。(笑)

自分に何が向いているかわからないからこそ色々トライできるのは有難いです。

例えば私は最初月一回幼児向け英会話をしてみましたが、子どもたちがなかなか集中できず、こちらもへとへと。こどもたちは遊びたい、走り回りたい。そこで幼児向けではなく、子どもたちは遊ばせて、母親向け一言英会話に変え、その後おにぎりとみそ汁を皆で作って解散というどちらかというと居場所づくりにしてみました。試行錯誤しつつ、働くお母さんとも休みの日に会って話したり、情報交換できる場があるといいなと思っています。

 

移住当初は、“ネットさえあれば仕事ができる”というフレーズに憧れ、ランサーズなどに登録して記事などを書いていましたが、23日かかって1000円となかなか大変。

それよりは今住んでいる場所でできることをしてみようという気持ちに変わってきました。昨年富山県の地域通訳案内士の資格も取ったので、外国人に近場の街並みや暮らしを紹介していけたらと思っています。

なんだかんだ英語にすがっていますが、英語を媒体に、町になじみつつ、過疎化しつつあるが素晴らしい伝統が残っている片田舎に、外の風もいれられるような人になりたいです。

author:こだま舎, category:移住への道のり, 08:01
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農業サイドから見た都市との交流(『ほっとニュース』2019.4.11.)

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農業サイドから見た都市との交流

(参考・引用:2019.2.10付日本農業新聞 『都市との交流の行方』片岡美喜−高崎経済大教授)

 

都市と農村の交流は、1970年代にはじまった有機農業運動で熱心に試みられ、その後の2,30年がピークだったかもしれません。農業界全体としては最近になってそうした考え方が広がりを見せるようになってきました。ただ、農業界も高齢化、都市と農村交流も新たな世代の動きに委ねざるを得ないようです。

片岡美喜氏が農業サイドから見た都市と農村の交流に関して、日本農業新聞『農村学教室』に記事を書いています。その記事を参考に以下にまとめてみました。

 

主としてJAに一括出荷していた農家が直接消費者に販売していく試みがなされます。「1980年代以降農産物直売所は都市農村交流に関する代表的な取り組みの一つになり、その数や売り上げなど上昇していく傾向にあります。」JA等への出荷では曲がりキュウリのような出荷はできず、規格が厳しく問われ、また一定量の確保が要求されていました。しかし、直売所では「規格や量がまとまった出荷をしなくてもいい農産物直売所は自分のペースで少量から出荷でき、高齢農家にとって適した出荷先であり、現在の地域農業の実情に対応できる場でも」あり、農家にとって「顔の見える(都市と農村の交流)販売」の恰好なスタイルともいえるでしょうか。が、「農産物直売所の購買を支えているのは中高年層、それより後の世代が、新たな直売所の購買層になりうるかと言うと難しいかもしれない」とも述べています。

 

「80年代後半から90年代にかけて、レジャー要素が強い観光農業に加えて、より地域の農家との交流や農業や食に関する体験を重視した活動として、農業体験や農家民泊などのグリーン・ツーリズムも都市と農村交流の一つとして行われるようになった。こうした地域発の取り組みは、地域住民の生きがいづくりを含めた、農業や地域振興の手段として推進されるようになった。これらの活動では、古いものとして見捨てられがちであった農業という産業から生み出されてきた生産物やそのための技術、農山村地域とそこで暮らす人々が作りあげてきた自然環境や生活文化を見直し、利活用するものとなった。」

 

「だが、取り組み開始時世代から次の世代に変わりつつある中で考え方の違いも出てきた」のだと言います。どのような違いが出てきているのか、片岡氏の指摘がないので推測するしかないのですが、IT等の発達などが影響しているのかもしれませんね。

「加えて、消費者側においては都市農村交流がメジャーな観光形態の一つとして定着して」おらず、「さらに、家庭での生鮮の青果物の購入量や金額は年々低下しており、加工品や惣菜類などの購入が増加している。日常の食から簡便化が好まれる傾向は、地域の農産物を好んで買うよりも、便利さや安さで選択されてしまうことになる。」とも片岡氏は指摘しています。

 

さて、こだま舎の私たちにとって上記の例にある直売所やグリーン・ツーリズムはピンとこないかもしれません。こだま舎のメインの野菜農家は都市のど真ん中の鎌倉市や横浜市内にある畑、お米やお餅などは伝統的米どころの農村地帯ですし、卵の産地は人里から遠く離れた山里の一軒家。「農業」と一口に言っても様々な形があります。

「食」の向こうにあるそれぞれの農家の姿にまず思いを馳せてみることが、私たちにとって「都市と農村の交流」の第1歩なのかもしれません。(山崎久民)

author:こだま舎, category:-, 13:52
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おとなり韓国の農業事情(『ほっとニュース』2019.4.4)

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おとなり韓国の農業事情

 おとなり韓国では、農業の多面的機能を評価し、農業者に手当を支給する政策が動いているようです。いわゆる環境保護など、その地域に住む人を含めて生(植)物すべてに効果を及ぼすのだからということを認めたというワケですね。

 

韓国農業のそんな動きが分かる以下の記事をお読みください。

 

農業が多面的機能創出と 農民手当 韓国で拡大(日本農業新聞2019.2.3より)

 

韓国では、農家が農業・農村の公益価値である多面的機能を創出するとして「農民手当」を支給する自治体が続出している。農家ならだれでも受け取れる仕組み。最南部の全羅南道海南郡の新制度導入を皮切りに、全国各地で導入が広がる。1月現在、市町に当たる市郡自治体36が取り組みを進める。来年の大統領選挙(3月)、総選挙(4月)を控え、機運は一層高まりそうだ。

 

同国の200万人の農家でつくる全国農民会総連盟(全農総)によると、海南部では昨年12月、農民手当を支給する条例を制定。農家の公益価値創出を認め、農民手当に特化した条例を採択したのは全国で初めて。管内全ての農家に2019年から年間60万ウォン(日本円6万円)相当の地域通貨を支給する。。映以上同郡に居住 農作業をする――が条件となっている。

 

同道の咸平郡でも、農民手当の導入を計画している。市町長に当たる郡主が昨年6月の地方選挙で、農民手当の支給を公約に掲げて当選した経緯もあり、早ければ4、5月にも開始。同郡に居住し、郡内で作物を栽培する農家に対し、1戸当たり最大で年間120万ウォン(日本円12万円)を支給する。

市町段階の取り組みだけではなく、県に当たる道を挙げて導入を検討し、最終的に国策に反映させようとする動きもある。忠清北道では、農民手当を含む農民基本所得の補償制度を研究するため1億5000万ウォン(日本円1500万円)の予算を組んだ。市町段階の研究にとどまらず、国策に引き上げる方策も探る。

 

自治体発の農民手当の活発な動きに対し、全農総の元政策委員長の朴炯大氏は「市場論理で農業農村の公益機能を守るのは限界がある。自治体は身近なところで危機を実感したからこそ(制度導入に)乗り出した」と分析する。

来年の大統領選挙、総選挙に向けて、農民手当を導入する動きは一層高まるとみられる。同国では地方選挙を控えた17年11月から18年1月にかけて、農業の多面的機能を公益価値として憲法に盛り込む署名運動が展開された。多くの自治体の長を含む1000万人以上が署名。国民5人に1人が署名した形だ。

 

農民手当の研究に長年携わった忠南研究所の朴鐵責任研究員は「今後も賛同する自治体が増える。5年以内に、国策として取り入れるのではないか」とみる。

author:こだま舎, category:-, 08:41
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「食の安全性」って? (『ほっとニュース』2019.3.28)

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「食の安全性」って? 

 こだま舎は40年の「安全・安心の食」経験を積んできました。なのに、以下の新聞記事のように理系でもない、食品の専門家でもない私は未だに「食の安全性」について的確に判断できません。食品添加物などこだまの会始まった当初は、勉強会を開いたりしました。が、何とか理解できた頃には企業での技術が進歩(?)し、表示のやり方が変わり、前の理解では追い付かなくなります。その上、IT利用が当たり前になってきた社会では、いっそう安全性の判断が複雑になって来ました。どちらかといえば、大企業に寄り添う公的機関や法制上の立ち位置は、私たちにとってのよい味方ではないような気もしますしね。

 もっと単純にこれだという判断ポイントがないものでしょうか。

 

 

消費者不在の安全性(日本農業新聞2019.2.26付より)

東京大学大学院教授 鈴木宣弘

 

最近、「科学的」であることを前面に打ち出した消費者団体をよく目にする。遺伝子組み換え(GM)は安全、防かび剤は安全――。一般に消費者が不安に思っている食の安全に関する問題について、いずれも「何も不安に思う必要はない」という開発・販売側の発言と極めて一致しており、「非科学的で無知な消費者を卒業しよう」と諭すようなないようになっている。

 

政府の審議会には消費者代表に入ってもらう必要があるが、こうした「科学的」消費者団体は、科学的なことが分かる消費者団体として重宝されつつある。推進したい企業・政府側に消費者が懸念を表明するという構図が消えて、双方が賛成となるので進めやすい。

消費者団体の中には、「科学的なことは文系の私には分からないので審議会に出ても確信をもって発言できないから遠慮する」という謙虚な人もいる。しかし、そもそも、GM食品などは長期摂取の人体への影響は「分からない」のである。それは科学的でも無知なのでもなくて、それが正しい。「大丈夫」と断言する方が間違っている。至極妥当な意見の方が遠慮して、あるいは排除されて、「科学的」消費者代表ばかりになったら抑止力がなくなってしまう。

「自然科学のことが分かる専門家なら正しい」にも疑問符がつく。巨額の研究資金を必要とする自然科学の研究者は、一度つながりができたら、その技術を否定しづらくなる可能性がある。研究資金の出所の違いで「科学的」見地からの発言も真っ向から食い違こともよくある。

 

こうした中、消費者庁で食品添加物のパッケージ表示を「スマートフォンで調べたら分かる」という類の簡略化をする方向で検討が始まろうとしている。食品添加物の安全性についても、まだ「分からない」ことが多い。それを心配する消費者が多いのだから、最低限、表示して選べるように「選択の権利」を保証すべきだ。

なのに、日本の消費者のためにGM表示を厳格化すると言いながら、米国のグローバル種子企業の要請そのままに、実質GM表示法だった」というのと同じ手法を使おうとしている。

消費者庁が実現した時、消費者は歓喜した。しかし、さまざまな検討が消費者不在で、糸をたどると同じ根っこにたどり着く、一方の側だけで議論した形を自作自演しているとの懸念も出ている。何のために消費者庁をつくったのか、消費者を守るのでなく、消費者を欺き、一部の「今だけ、金だけ、自分だけ」が健康リスクにふたをして、もうけるために消費者庁が機能することになってしまったなら、こんな悲しいことはない。

author:こだま舎, category:-, 08:39
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有機農業に日中が連携(『ほっとニュース』2019.3.21)

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何かと話題になる中国のお話です。社会的企業として有機農業への関心が高まっているとのこと。

終り近くの下線部分、日本のオーガニックの世界にどんな影響があるのか、とても気になりますね。

 

有機農業に日中が連携(日本農業新聞2018.11.19付より)

深刻な社会問題に

 2008年の「毒ギョーザ事件」をはじめ、日本では中国産の食材に不信の目が向けられることが多いが、中国でも近年、食の安全は深刻な社会問題と受け止められている。そこで注目されたのが有機農業の先進国・日本だ。 公害や環境汚染が深刻化した1970年代以降、日本では農家から消費者への直売や、生協などでの有機野菜取り扱いが進んだ。環境保全と密接に結び付いた食材のあり方は、日本が中国に教えることのできる代表的分野の一つ。有機農業を媒介とした日中の結びつきが深められてきた。

 

土壌汚染された畑

 河南省で農場と堆肥工場を経営する川崎広人さん(72)が中国と関わりはじめたのは、定年を迎えた2006年からだ。勤めていた生協に青島農業大の人々が視察にやってきたのがきっかけ。仕事の傍ら有機農法の勉強をしていた川崎さんに中国に来てほしいと声がかかり、現地で初めて畑を見た。「土壌が汚染され、ひどい状態だった」

 いつか中国で有機農業をしたいと同大で09年から1年間、研究員をしながら各地に畑の状況を調べた。「自分にしかできない」と決意し、13年に中国に渡った。今では株の半分を所有する共同経営者だ。

 湖や川に捨てられていた家畜のふんで堆肥を作り有機農法でトマトや小麦、米の栽培を始めた。堆肥が売れなかったり、スタッフが安い化学肥料をこっそり使おうとしたり。土壌づくりを指導する農家との信頼関係構築にも苦心した。今では100ヘクタールの畑で20人以上が働く。食の安全に貢献する「社会的企業」の一つだ。 中国版ツイッターで積極的に農場の日常や堆肥の使い方などを発信。日増しに増える反響に、有機への関心の高まりを感じる。堆肥づくりの研修会にはこれまで1千人近くが参加した。

 異国で1人奮闘する川崎さんのもとには若い担い手が集まってくる。「自分が中国の役に立っていると日々実感できる。(旧日本兵が帰国せず僧となって旧ビルマに骨をうずめる小説)『ビルマの竪琴』の現代版だと思っています」

 

都市部で高い関心

 物質的な豊かさに囲まれて育った都市部の若い世代は、食の安全に関心が深い。北京市内で毎週のように有機食品のマーケット「有機農夫市集」が立つ。色とりどりの野菜や果物に肉、手づくりのお茶やチーズ、蜂蜜やジャム。農家が自分たちの畑から直接持ってきて販売する。値段は普通のスーパーの倍以上で、10倍近いものもある。

 このマーケットは北京に住む日本人女性が10年に始め、常天楽さん(39)が受け継いだ。今では他に常設の店舗も二つ経営する。

常さんは昨年、日本を訪れ有機農家や消費者グループを訪ねた。「日本では農家や消費者がネットワークをつくり、お互いに助け合うシステムを作っているのが面白い。そういう仕組みを学びたい」と語る。

 有機野菜宅配の草分け「大地を守る会」(現・オイシックス・ラ・大地)も12年から、中国農村部の貧困問題に取り組むNPOと組んで有機野菜の農場を経営する中国の巨大市場をにらみ、企業や個人に宅配する合弁事業を手掛ける。(下線は山崎久民)

 変化が速く、どんどんテクノロジーを開発・利用していく中国と、ていねいで「顔の見える」サービスの得意な日本と。社会的企業を通じた公益的な領域でも、それぞれの得意な分野を生かすことができるはずだ。(編集委員・秋山訓子)

author:こだま舎, category:-, 08:14
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富山だより PART 12(『ほっとニュース』2019.3.14)

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富山だより   PART 12

助け合いと保険

 

篠島ゆき野

 

新年の挨拶をしていたと思ったら、もう春!こちらではフキノトウが道の駅に並びはじめました。

今年は雪が少なく、本当に楽だったと村の人たちは口をそろえて言っているけれど、私たち家族にとっては、初めての雪。積もった日は大変だったねぇと経験値によりだいぶ感想がかわってきます。

 

秋から冬にかけては、多くの御講(お坊さんがお話してくれる)がありました。春になると、えざらえ(水路の掃除)や田植えの準備など体を動かす仕事が待っています。

 

ファイナンシャルプランナー2級を取得した際、収入を増やして保険や学費、老後の資金を貯めることが大切だと学びました。

 

しかし村ではまだ助け合う精神が残っています。高齢者の家の除雪、人口が減っている地区の除草、空き家管理、田んぼの管理等々。村には、資本主義による保険と村人同士の助け合いの2つが混在しています。

助け合いの担い手は、定年退職した方々や働き世代が日曜日に作業をしています。こんなに村の仕事があるから田舎の人は‘稼ぐ’方の仕事の仕方が都会よりもゆるいのもかもしれないとも思うようになりました。

 

稼いで保険に入って、村人同士で助け合う。通りで田舎の人たちは忙しいわけです。

でもこの助け合いに惹かれて私は引っ越してきたと言っても過言ではありません。そこには暮らしの中に優しさや安心があります。お互いを気遣い、出来ることをする。

それがとても美しく映ります。

しかしこれに関しても新参者の私と10年住んでいる同世代の知り合いは、意見が違いました。彼女は夫婦でPTAの役員をこなし、夫は住んでいないが実家がある在所の役員からずっと逃げられないとのこと。

助け合いも人数が減ってくると負担に変わっていくという現実。

私は今お世話になっている方なので助け合いが美しいと思っていられるが、いざ自分が担っていく方になった時に、それでも美しいといえるのか。

これからは省けるものは省いて、しかし助け合いというつながりはこれまでの大切な遺産なので、継承していきたいです。移住1年目の思い。

author:こだま舎, category:移住への道のり, 09:22
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古い世代からのメッセージ(『ほっとニュース』2019.3.7)

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こだま舎は、40周年を迎えました その8

古い世代からのメッセージ

 

・忘れられない思い出として、山形県の生産者宅に援農に行ったり、冬にはスキーに行ったり。静岡県の大石さんの茶畑や、竹の子ほりなど。衰退は、こだま舎及び他の組合もそうですが、身近なところに店ができたり、商品に対するニーズもばらばらに分かれてしまったこと、世の中が希薄な時代と高齢化等々と思います。

次世代に伝えたいこと、続けられる限り頑張ってください。(K.I)

 

・私がこだま舎と始めて関わりを持ったのは、もう30年位前になります。1986年に起こったチェルノブイリ原発事故の放射能汚染が問題となっていた頃で、こだま舎の勉強会に参加したことにはじまります。

 そんな活気のあった時期も過ぎ、今なお赤字の続く状態なら閉鎖もやむを得ないことと思っていたのですが、存続することが決まったのなら、とりあえず残ろうと思いました。今は、もう少し見届けてみようかしらと期待しています。(M.S)

 

・山形県の片平さんへの田植え、稲刈りと縁(援)農、四国の無茶々園(柑橘類)へ出かけ、芦浜産直出荷組合など原発誘致反対に、大石さんのお茶、竹の子ほりなど、鈴木良一さん等々、食べているもの一つひとつに思い出が詰まっています。

 私の長い人生、健康の源は「こだま舎」です。友人たちから元気だと褒められています。これも「こだま舎」の食材を永年食べているからだと確信しています。(T.I)

 

・子どもたち(当時、小・中学生)に安全なものを食べさせたいと入会しました。今は、近くに住む孫たちのために安全な果物を食べさせたいと毎週運んでいます。食に対する意識は常にあるので『ほっとニュース』は心して読んでいます。

 会員数が減っているのは残念なことです。若い子育て世代が食に関心を持ってくださるとよいと思います。 そうそう、お祭りは楽しかった! おもちつき、おでん、のり巻き等の販売、生産者の方々ともお会いでき楽しい催しでした。(M.M)

 

・家族がC型肝炎で通院していた頃にこだま舎のことを知り入会しました。こだま舎の危機をお知らせいただいた時は、次のところを探さなければと思ったのですが、継続するとのことでホッとしている次第です。(Y.S)

 

・母が3度のがんで亡くなったこと、娘にアトピーがあったことなどが下地にあって入会。

一時、パートタイムで働いていた時に知り合った人が、本当に出会った人は、すでに自分の細胞の一部になっていると言っていたことがあり、「こだま」も私にとっては、そんな感じです。(K.F)

 

 

*お断りとご了解を

以前に40周年記念事業に際して、意見を寄せていただいた方の文章から一部を抜粋させてただきました。ご本人にお断りせずの掲載になりましたことを追お詫びしつつ、よろしくご了解下さい。

author:こだま舎, category:-, 08:05
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