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農業サイドから見た都市との交流(『ほっとニュース』2019.4.11.)

このコラムでは、こだま舎会員向けの会報から記事を掲載しています。

 

農業サイドから見た都市との交流

(参考・引用:2019.2.10付日本農業新聞 『都市との交流の行方』片岡美喜−高崎経済大教授)

 

都市と農村の交流は、1970年代にはじまった有機農業運動で熱心に試みられ、その後の2,30年がピークだったかもしれません。農業界全体としては最近になってそうした考え方が広がりを見せるようになってきました。ただ、農業界も高齢化、都市と農村交流も新たな世代の動きに委ねざるを得ないようです。

片岡美喜氏が農業サイドから見た都市と農村の交流に関して、日本農業新聞『農村学教室』に記事を書いています。その記事を参考に以下にまとめてみました。

 

主としてJAに一括出荷していた農家が直接消費者に販売していく試みがなされます。「1980年代以降農産物直売所は都市農村交流に関する代表的な取り組みの一つになり、その数や売り上げなど上昇していく傾向にあります。」JA等への出荷では曲がりキュウリのような出荷はできず、規格が厳しく問われ、また一定量の確保が要求されていました。しかし、直売所では「規格や量がまとまった出荷をしなくてもいい農産物直売所は自分のペースで少量から出荷でき、高齢農家にとって適した出荷先であり、現在の地域農業の実情に対応できる場でも」あり、農家にとって「顔の見える(都市と農村の交流)販売」の恰好なスタイルともいえるでしょうか。が、「農産物直売所の購買を支えているのは中高年層、それより後の世代が、新たな直売所の購買層になりうるかと言うと難しいかもしれない」とも述べています。

 

「80年代後半から90年代にかけて、レジャー要素が強い観光農業に加えて、より地域の農家との交流や農業や食に関する体験を重視した活動として、農業体験や農家民泊などのグリーン・ツーリズムも都市と農村交流の一つとして行われるようになった。こうした地域発の取り組みは、地域住民の生きがいづくりを含めた、農業や地域振興の手段として推進されるようになった。これらの活動では、古いものとして見捨てられがちであった農業という産業から生み出されてきた生産物やそのための技術、農山村地域とそこで暮らす人々が作りあげてきた自然環境や生活文化を見直し、利活用するものとなった。」

 

「だが、取り組み開始時世代から次の世代に変わりつつある中で考え方の違いも出てきた」のだと言います。どのような違いが出てきているのか、片岡氏の指摘がないので推測するしかないのですが、IT等の発達などが影響しているのかもしれませんね。

「加えて、消費者側においては都市農村交流がメジャーな観光形態の一つとして定着して」おらず、「さらに、家庭での生鮮の青果物の購入量や金額は年々低下しており、加工品や惣菜類などの購入が増加している。日常の食から簡便化が好まれる傾向は、地域の農産物を好んで買うよりも、便利さや安さで選択されてしまうことになる。」とも片岡氏は指摘しています。

 

さて、こだま舎の私たちにとって上記の例にある直売所やグリーン・ツーリズムはピンとこないかもしれません。こだま舎のメインの野菜農家は都市のど真ん中の鎌倉市や横浜市内にある畑、お米やお餅などは伝統的米どころの農村地帯ですし、卵の産地は人里から遠く離れた山里の一軒家。「農業」と一口に言っても様々な形があります。

「食」の向こうにあるそれぞれの農家の姿にまず思いを馳せてみることが、私たちにとって「都市と農村の交流」の第1歩なのかもしれません。(山崎久民)

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