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こだま舎と資本主義 その10

このコラムでは、こだま舎の会員向けの会報誌から記事を掲載しています

 

こだま舎と資本主義 その10

 

10.「休校」と「休業」で農産物が行き場を失った

新型コロナの影響で学校、保育園等が休校となり、レストラン、居酒屋等への要請で一気に休業が促進されました。仕入ストップとなり食材を提供している農家を直撃しています。そうした農家を支援しようと格安で販売することで消費者に協力要請している各地の実践例がいくつも報告されていました。

何度も繰り返しますが我が国の自給率はわずか37%。その貴重な国内農産物が販売先に困窮し、大幅な値引き販売せざるを得ないという状況をにわかには理解しかねることでした。学校給食やレストランなどでの「食」が限りなくゼロに近づいた結果なのですが、その減少分は家庭内での「食」の増加になっているはずです。消費者へのお願いで確かに家庭消費用にまわっているものの、「安くてお得の応援・支援販売」になっています。

 

 都市消費者がお得になる「応援・支援」って、何だか変だと思いませんか?

 都市消費者、農業者という区別なしに誰にとっても「食と農」は、生きていく源です。だからこそ、どんな状況下であっても誰にも「食と農」が保障(農業者の生活も)されなければなりません。

農業も産業の一部門として市場(資本)主義に委ねられてきましたが、それではうまく機能しないのだということをコロナが示したと言えるでしょうか。農業者、消費者双方が共に連携できる新たなシステムを構築する必要があるように思うのですがどうでしょうか。

 

小谷あゆみ氏は、農村と都市の関係性に関して以下のような文章を寄せていました。考える参考に一部抜粋します。

 

農村が社会を救う     農業ジャーナリスト 小谷あゆみ (3/24 日本農業新聞)

 給食停止や自粛により、牛乳、生花、和牛などの農産物消費拡大を国やJAが呼びかけています。喫緊の重要性には賛同しますが、本来農業・農村は、都市に助けを乞う社会のお荷物ではありません。都市の抱える病を、飢餓を、不安を、いつの時代も救ってきたのは農業・農村です。

 今こそ、一時集中ゆえのストレスを解消する避難場所、「心の疎開先」としての役割を示すべきではないでしょうか。農の多面的機能は、副産物ではありません。災害時にはあらゆる方法で命を救う場になるのです。

 新たな食料・農業・農村基本計画案に、コロナ対策が追加されることになったのは、いちるの望みです。実習生の代わりに農業実習を提案したJA全中には賛成ですが、労働力や援農だけでなく、長期的な「消費者教育」と捉える視点も望めないでしょうか。

 体験は人をつくります。そうして都市が、農の本当の価値に気付いたとき、国産消費をお願いする対処療法的なキャンペーンは不要になります。一体いつになれば農村は都市に頭を下げなくて済むのでしょう。

 物流革命から大交流時代へ。感染は抑えてもリスクゼロにはなりません。ならば農の存在価値を見直し、消費社会の不安を和らげる“田舎”を提供することが双方を強くするはずです。

author:こだま舎, category:-, 16:43
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こだま舎と資本主義 その9

このコラムでは、こだま舎の会員向けの会報誌から記事を掲載しています

 

こだま舎と資本主義 その9

 

9.食と生活を守る

先週一部を抜粋した記事を全文掲載します。巷では、早や穀類の品不足が生じているよう。我が国が食料輸入大国のままでよいのか、「コロナ」は問い掛けているように思います。

 

コロナ禍の食料危機

鈴木亘弘氏(東京大学大学院教授)5/5日本農業新聞

 

世界的なコロナ・ショックで物流の寸断、人の移動制限が起こり、それが食料生産・供給を減少させ、買い急ぎや輸出規制を誘発している。一層の価格高騰が起きて食料危機につながることが懸念されている。日本の食料自給率は37%。我々の体のエネルギー63%を海外に依存している。輸入がストップしたら命の危機にさらされる。

 輸出規制は簡単に起こりうるということが、今回も明白になった。国連食糧農業機関(FAO)、世界保健機構(WHO)、世界貿易機関(WTO)は協同で、輸出規制の抑制を要請した。しかし、輸出規制は国民のいのちを守る正当な権利であり、抑制は困難である。

 過度の貿易自由化が多数の輸入依存国と少数の生産国という構造を生んだ。それがショックに価格が上昇しやすい構造を産み、不安心理から輸出規制も起こりやすくなり、自給率が下がってしまった輸入国は輸出規制に耐えられなくなっている。だから、今行うべきは過度の貿易自由化に歯止めをかけ、各国が自給率向上政策を強化することである。それは輸入国が自国民を守る正当な権利である。

 

 ところが、WTOなどの共同声明は一層の食料貿易自由化も求めている。貿易自由化が原因なのに解決策も貿易自由化だとは論理破綻も甚だしい。コロナ・ショックに乗じたショック・ドクトリン(災禍に便乗した規制緩和の加速)は看過できない。危機に弱い社会経済構造を作り出した元凶なのに、これを機に貿易自由化が加速するようなことはあってはならない。

 食の安全保障には量と質がある。成長ホルモン、除草剤、防かび剤残留でリスクのある食料が輸入基準の緩い日本を標的に入ってくる。国産にそれを使われていない。早く国産シフトを進めないと質の安全保障も危機にひんしている。安全保障のコストを考えたら「国産こそ安い」。

 「農民が人間を生かしている。農民の生活を保障すると人間の命も保証できる。今は農民の生活が保障されていない」といったネットのコメントもある。生産者とともに自分たちの食と暮しを守っていこうという機運が高まっている。

 特に、消費者が単なる消費者でなく、より直接的に生産にも関与するようなネットワーク強化が今こそ求められている。世界で最も有機農業が盛んなオーストリアのペンカー教授の「生産者と消費者はCSA(産消提携)では同じ意思決定主体ゆえ、分けて考える必要はない」という言葉は重い。全国各地で住民が一層直接的に地域の食料生産に関与して、生産者と一体的に地域の食を支えるシステム作りを強化したい。

 

 政策的には、危機で農家や中小事業者、労働者が大変になったら、最低限の収入が十分に補填される仕組みが発動される仕組みが機動的に確実に発動されるよう普段からシステムにビルトインしておく。国民の命と暮しを守れる「安全=セーフティーネット」のある危機に強い社会システム構築が急がれる。危機になって慌てても危機は乗り切れない。 

author:こだま舎, category:-, 16:38
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こだま舎と資本主義 その8

このコラムでは、こだま舎会員向けの会報から記事を掲載しています

 

こだま舎と資本主義 その8

 

8.「農」のグローバリゼーション

 

 新型コロナウイルスは、私たちが築いてきた文明を問い直すことになりそうです。その一つがグローバリゼーションです。こだま舎としては当然ながら「食と農」を見詰めていきたいと思います。グローバル化に警告を発する意見の幾つかを拾ってみました。

 

◆アート・カレン氏(米地方紙ストームレーク・タイムズ編集長) 

(3/7日本農業新聞より一部抜粋)

「効率だけを求めてきたグローバル化の網は見直しすべき。気候変動の危機が見直しの好機だ。輸出を目指して穀物や肉を大量生産し、環境を破壊してきた米農業を改める政策をとる。アイオワで多く使われた化学肥料はミシシッピ川を通じてメキシコ湾まで汚染してきた。豊かな土壌を守る持続可能な農業に取り組む農家に対し、補助金や税制優遇の政策をとることで、農村の共同体を再建する。米中摩擦の結果、中国はブラジル産大豆の輸入を増やし、ブラジルの農民は畑にするため熱帯雨林を燃やしている。米国と他国の農村の問題はつながっている。あわせて解決の道を探らなければならない。問題はカネだけではない。人々のつながりを深めながら地域の暮しを底上げすることに関心を向けることが必要だ。」

 

◆論説(4/29日本農業新聞より一部抜粋)

 グローバリゼーションで、効率性や安さを優先し食料の供給網を世界中に広げてきたことが一転、地球規模の感染拡大でリスクとなって現れつつある。

 日本では食料不安はまだ顕在化していない。国内で農業者が懸命に生産を続け、国民の食を守っているからだ。ただ、外出自粛や休校、飲食店の休業などによる需要減と価格低下で、経営が苦境にある農業者も多い。食料の安定供給は瀬戸際にある。

 食料自給率が低い中で、生産力がさらに弱まれば食料不安が噴き出す恐れがある。消費者が農業者を支える番だ。輸入依存を見直し、食と農の結びつきを強めていく。その契機とすべきだ。そのために政府は、農業経営を継続できるよう支援するとともに、食料供給の実態を国民に伝えることが求められる。

 

◆鈴木亘弘氏(東京大学大学院教授)(5/5日本農業新聞より一部抜粋)

 過度の貿易自由化が多数の輸入依存国と少数の生産国という構造を生んだ。各国が自給率向上政策を強化することは、輸入国が自国民を守る正当な権利。ところが、WTOなどの共同声明は一層の食料貿易自由化を求めている。

(次週に全文を掲載予定)                      (つづく)

       

                                     山崎久民

author:こだま舎, category:-, 16:51
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こだま舎と資本主義 その7

このコラムでは、こだま舎の会員向けの会報から記事を掲載しています

 

こだま舎と資本主義 その7

 

7.「食料調達」の流れは変わるでしょうか

 

スーパーなどでの食料購入は 

日々緊迫感を増す「新型コロナウイルス」ですが、みなさまどのように向き合っておられるでしょうか。

私の一番の関心事は、もちろん食料品の調達です。こだま舎での動向を見ると注文量の上下はほとんどなく大体「いつもの通り」となっています。スーパーなどでの買い物事情は決してよいものではなく、コロナリスクを幾分かでも回避するためかネット販売での宅配便が増えているとも言われています。

また、在庫は十分あるので買いだめ、買い急ぎはしないようにという要請も活発に行われています。こんな時こそ会員を増やすチャンスだとどこからか聞こえてきますが、取り立てて問い合わせがあるというワケでもありません。従来市場で購入していた人たちに今後変化が生じてくるのか、関心を持って見ているところです。

 

産直サービスの事例

 そんな時、日本農業新聞(4/28付)に産直サービス「ポケットマルシェ」がこの3月以降、売り上げが10倍に伸びたこと、登録生産者も200人増えたと書かれていました。常日頃から農村と都市をつなげたいと願っている小谷あゆみ氏(農業ジャーナリスト)は、「コロナ緊急事態発生がこうした動きを誘発している」、「応援消費よりもう一歩親密なお裾分けや縁故米に近い関係」になったのではとこの記事で説明しています。

 

在庫は十分あるのだろうか

「在庫は十分あるので買いだめはしないで」という要請について100%信じられずにいます。何せ自給率37%のわが国、加えて輸出入のレギュラーパターンが崩壊してしまっている状態で、外国から食料が滞りなく入ってくるとは考えられないからです。

「安全・安心」食料は国産だと信じ込んでいる向きが多いかもしれませんが、他国に契約農場を持ちオーガニック野菜などの生産をし、わが国に輸入しているというケースもあります。「私は特殊ルートで食料を調達している」からといって安心とは言えません。食料の中でも比較的国内での生産率が高い野菜はともかくとして、他の食料について従来通りの輸入量が確保できるのか。コロナ終息後、食料事情は一変するのではないかと心配しています。

 

 つい最近までスーパーなどに世界各国から届いたたくさんの食品群の中から、いつでもほしい時に欲しいだけ手に入れることができましたし、こだま舎での特殊ルートで調達して何となく安心してもいました。が、わが国の農業事情を知る、世界の「食と農」に目を配るなど日々の食料調達についてもう一歩、深く、広く見ていく契機になればと思っています。(つづく)   山崎久民            

author:こだま舎, category:-, 12:39
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「新型コロナウイリス」との向き合い方

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「新型コロナウイリス」との向き合い方

 誰にとっても感染(する、させる)リスクを抱えての日々、その上マスク(近々アベノマスクが配布されそうですが)も消毒薬も手に入りにくい現状です。それを踏まえて、どう向き合えばよいのか少し整理してみました。

 

「新型コロナウイリス」の特徴は

,修發修皀Εぅ襯垢箸蓮¬とたんぱく質と核酸の塊で生物ではないこと

何層かの脂質膜で覆われていること

B瞭發貌った時だけ、体にある細胞と反応を起こして増えること

ぐ貭蟷間で消滅する

 感染者の口から飛び出たウイルス  数秒〜1分で消える

 生地:3時間  銅と木:4時間  段ボール:24時間  金属:42時間  プラスチック:72時間

但し、温度、湿度で違いがある

ジから飛び出たウイリスの飛距離は1〜2メートル  但し、換気が悪いとすぐに消えず漂い続ける

δ名錣慮撞曚任△譴丱Εぅ螢垢枠瑤喀个覆

 

どのように感染するのか

1 目の前にいる誰かの口や鼻から飛び出たウイリスを直接浴びて感染する

2 その本人が自分の口、鼻などに触り、その手が触ったものを通じて他に感染する

3 感染者の口、鼻から飛び出て洋服などへ付着、それを触ったものに感染

1〜3の組み合わせで、実際には数限りない感染ルートがありそうです。

 

感染を防ぐには

1 特質を利用する

 マスクがなくても、自分以外の人とのあいだで互いに飛沫を浴びたり浴びさせないようにすればよい。距離を2メートル取る、唾を飛ばして話をしない(まったく口を開かない方がよいのかも)、咳・くしゃみをしないなど。いろいろなものに手をふれない。出掛けた衣服を着替えて換気のよいところに3時間放置するなど新型コロナウイリスの特質を利用して消滅を図る。

2  脂質を破壊する(ウイリスは消滅)

外出した時は急ぎ帰宅し、石けんでの手洗い、特に爪に残りやすいので念入りに。お風呂に入るもよし。

3  ウイリスに接触する機会を減らす。つまり人に会わないようにすること。

 

完全に予防を望むのであれば、一人で部屋にこもり誰にも会わないことしかないと思いますが、それはまず実現不可能です。とすれば、感染(する、させる)リスクはゼロにはなりません。一定程度のリスクがあることを覚悟しなければならないでしょう。もし、万一感染が判明した時は医療に委ねることになりますが、それも私たちの意のままにならないことも覚悟が必要でしょう。

医療や介護の現場、また、家に閉じこもることができない仕事を持つ人たちは一層の高いリスクを負っています。そのことをしっかり心に留めておきたいものです。

author:こだま舎, category:-, 17:27
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こだま舎と資本主義 その6

このコラムでは、こだま舎会員向けの会報から記事を掲載しています

 

こだま舎と資本主義 その6

 

6.こだま舎での「新型コロナウイリス」リスク

 

誰もが何らかの影響を受けている新型コロナウイリスですが、みなさまどのようにお過ごしでしょうか。

 

今のところ、こだま舎の戸配は、滞りなくできていてほっとしています。スタッフの誰かが感染したとすればその時点で戸配は休止せざるをえなくなりますから、休止しないですむ絶対的予防策はないものかとついないものねだりの思考に陥ってしまいがちの毎日です。

 

こだま舎の仕事は大きく2つに分けられます。1つは注文の集計・発注、納品書の作成、仕分けなど配送センター内で行うもの。もう1つは会員宅への配達です。配送センター内で行う仕事はどれも在宅ワークのできるものではないため、スタッフは蒔田の配送センターまでの出勤が避けられません。配送センター内では「3密」はないのでその点の心配はほとんどのないのですが、通勤での感染(する、させる)危惧は避けられません。

配達の際、在宅で受け渡しをする場合、スタッフ、会員の双方に「感染」リスクがあります。マスク着用はしているものの、どの程度効果があるのかとの不安が付いて回ります。ニュース、注文書の入っているファイルの手渡しは心配ないのだろうなどと考え始めると際限もなく不安が広がります。

こだま舎に荷が到着してからのリスクだけではなく、荷を出す方の側、流通を担う宅急便などで何かが起きれば直ちに荷はストップします。みなさまのところに荷が届かなければ、直ちに食べるものに困ることになります。

 

 こうしたリスクがあることを共有しながら、配達が無事に全うできるようにと願うばかりです。

 

ククル、福鼓楼のとりくみ

 ククルはこだま舎舎長がオーナーであるオーガニックレストラン&カフェ。福鼓楼(045-225-8692)はこだま舎の取引先です。自粛要請などで大きく影響が出ています。また、一方で私たちは外食を楽しむ機会が失われています。いずれもテイクアウトを始めていますので、ご家庭でぜひお楽しみください。予約が必要です。

 

ククル(045-711-9996)のお弁当

 土・日・月 のみ

 価格:850円

                                       (つづく)       山崎久民

author:こだま舎, category:-, 11:42
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こだま舎と資本主義 その5

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こだま舎と資本主義 その5

 

5.こだま舎の存在意義って?

 

流通業者として競争に勝てなかった

こだまの会の運営責任を担っていた当初の10年から再びその立場に戻ってきたのは、ほぼ20年ぶりのことでした。

有機農業、あるいはオーガニックという言葉は広く知られるようになり、オーガニック大手の流通業者が顧客獲得に乗り出してきました。大規模化することでコストを削減、ネット販売のシェアを広げるべくその業界と資本提携し、いっそうの競争力アップです。そうした存在は「安全・安心」を求める人たちにとって朗報であったと思います。

また、一方で、無農薬・無化学肥料の野菜を生産する個人農業者や小規模農家が少数ながら増えてきました。そうした農家の生産物は、少量ゆえに大手の流通業者では扱いが難しく、それゆえ、そうした農家の多くはネットなどを通じて消費者に直接販売します。

「安全・安心」食品を求める人たちにとって、この両者をうまく利用することが賢い方法となっていきました。

このような社会情勢の変化に加え、こだま舎の基本理念であった「提携」も「援(縁)農」も消滅しました。市場主義は、農業者、消費者の双方に効率化、簡便化を推し進めていくことになります。「提携」、「援(縁)農」といった、時間と手間がかかる行為は次第に影を潜めていくことになりました。

 

国の施策は一歩進んだけれど

一方で、国の施策として有機農業の推進、棚田の保全支援など、食料供給役割だけではなく、自然環境保護等の役割が見直され、国民全体で守ることが推奨され、法律化もされるようになりました。

「有機食品の安定供給は今後国内外で関連市場が拡大すると見込み、生産拡大に加え、販路の多様化や消費者の理解を深めることで国産シェアを拡大していく考えだ。30年までの目標値は〕機農業の面積⇒機農業者数M機食品の国産シェアね機食品を週1回以上利用する消費者の割合――で定める。」(2/28日本農業新聞)ということです。

大手流通業者間で、オーガニック食品を購入している消費者を奪い合っている現状です。農業者、消費者双方に新たな参入者が見込めなければ有機農業は拡大されません。施策そのものに賛同するものの、市場主義のルールに従っている限り、新規参入者が増えることはないように思います。新規参入者を増やすためには消費者が農業・農村現場を理解し、農業者と一帯となっての推進が必須です。農業者と都市生活者が生産者と消費者とに分かれている限り相互理解は生まれません。相互理解がなければシェアの広がりは期待できないと考えるからです。

みなさんはどうお思いでしょうか。(つづく)

(山崎久民)

author:こだま舎, category:-, 12:22
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こだま舎と資本主義 その4

このコラムではこだま舎会員向けの会報から記事を掲載しています

 

こだま舎と資本主義 その4

 

4.そして、こだま舎は「流通業者」に、会員は「お客さま」になった

 

こだま舎の40年を見るとき、大雑把に3つの時期に区分できるかと思います。創立から成長期であったこだまの会の第1期。協同クラブこだま舎としての成熟期である第2期。そして有限会社に組織変更されて今に至る第3期。

 

第1期、2期はオーガニックの食べものがほしいという人たちの集合体でした。援(縁)農を中心に据え、農業者と相談しながらのお付き合いであったので私たちはそうした活動を「提携」と表現しました。市場で言う「売り手」と「買い手」の関係ではなかったということです。

 

それが大きく変化したのは、こだま舎が有限会社になった時期からです。協同クラブこだま舎として成熟期を迎え、取り扱う食品も米、野菜などの他に日常の食生活に必要な主食品に広がっていました。一定程度以上の販売額になり、税金の問題などでもはや法人格のない任意の組織のままでいることができなくなり、有限会社という法人組織に改変されました。

 

有機農業を推進するこだま舎のような「提携」スタイルが当初は一般的でした。しかし、大地を守る会、らでぃっしゅぼーや、一部の生協などがオーガニック市場に競争力を持つ大手流通業者として登場してきたことで、この世界はずいぶん形を変えていくことになりました。ここで注意しておきたいことは有機農業者が競争力を持ったのではなく流通業者が力を得てきたことです。「安全・安心」と「適当」な価格を望む都市住民の需要を見込んで顧客獲得競争に乗り出してきたということになるでしょうか。

 

それはまた有機農業がある程度の広がりを持ってきたことを意味しています。オーガニック流通業者で扱う農産物はJAS法に決められている有機無農薬から低農薬・低化学肥料までの幅を持っていることにも着目しておきましょう。農業者サイドでも出荷先・販売先は多様化しました。

今や、消費者は「安全・安心」食品を、「安全・安心」の程度に幅はあるものの、それなりの価格で、簡便に手に入れることができるようになりました。

 

こだま舎が有限会社になったことで、昔からの会員自身も含めてこだま舎を「流通業者」と認識するようになり、会員は「お客さま」となりました。当然ながらこだま舎も流通業者間の競争に呑み込まれていきます。流通を担う仕事は会員自ら担うのではなく、通常の会社と同様にその仕事を引き受けてくれる人を雇用する組織になりました。規模拡大などで低価格を実現できないこだま舎は、金持ち相手のビジネスと以前にもまして揶揄されることにもなっていきます。「提携」も援(縁)農も消滅していくことになりました。(つづく)

(山崎久民)

author:こだま舎, category:-, 09:37
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こだま舎と資本主義 その3

このコラムでは、こだま舎会員向けの会報から記事を掲載しています。

 

こだま舎と資本主義 その3

 

3.最初、わたしたちは「お客さま」ではなかった

 

水俣病家庭果樹同志会との出会いがこだまの会結成のきっかけになり、その後、日常的に食べる米、野菜など取り扱うようになりました。無農薬のお米を求めて「消費者のための有機農業講座(山形県高畠町有機農業研究会主催)」に出席した経緯は以前に『ほっとニュース』に書きましたが、もう一度簡単にまとめてみます。

生産者(農業者)と都市生活者(消費者)とは有機農業を広めていくための同志であって「事業者」と「顧客」という関係ではないこと。最低でも田植え、除草、収穫の3回は援(縁)農に行くことで、現場を理解し、実質的助けをすることが双方の間での合意事項でした。ですから、そうしたつきあいをするという実績がまずあって、初めて無農薬米が分けてもらえたのです。

まだまだ無農薬米を生産する農業者はわずか、それにひきかえ無農薬米がほしい消費者の希望する量は生産量を超えていました。私たちが横合いから入れば、すでに援(縁)農機軸で取引している消費者グループへの配分量を減らしてしまうことになるので、生産者のみならず消費者サイドに対しても新規参入は微妙な問題でした。

こだまの会での希望量には当然ながら不足分が生じますから、今度は内部で誰にどの位配分するか、話し合いで決めることになりました。

今は、毎週配布する注文書に注文するだけで翌週には「お届け」ですから、40年の歳月でいつの間にやら普通の市場と同様の取引関係になっていったことになります。

 

野菜に関しても同じような経過をたどりました。

援(縁)農実績のないこだまの会に無農薬米を供出してくれた高畠町有機農業研究会の片平夫妻はその後すぐ新規に無農薬野菜の生産に取り組んでくれることになりました。ここでも年1回作付け会議を持ち、作付け品目をはじめ取引のルールなどを双方で話し合って決めてきましたから、通常の取引形態とはかなり違っていました。一番大きな違いは、収穫出来た野菜は全量引き受けるということでした。私たちが食べる量を超えて豊作の時は、結構大変でした。食べ切れない野菜を誰かに買ってもらわなければならず、そうでなければ廃棄せざるをえないからです。

 

こだまの会は2年目には会員数が40名は超えていたと記憶しています。会員に農産物を配分するためにはそれらを担う人材が必要です。そうした役割は会員自らが引き受け、担当者には労賃を支払うことが決められました。

 

このように片平夫妻とこだま舎(こだまの会)との関係は「事業者」と「お客」ではなく、またこだま舎(こだまの会)と会員との関係も「流通業者」と「お客」ではなかったのです。

(つづく)

(山崎久民)

author:こだま舎, category:-, 16:47
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吉田てづくり農園の見学に行ってきました! その2

このコラムでは、こだま舎会員向けの会報から記事を掲載しています。

 

吉田てづくり農園の見学に行ってきました! その2

関 正明

 

 吉田さんの畑のお隣に同じく有機農業に従事する女性就農者の森由美子さんという方がいらっしゃいます(写真左)。今年就農3年目となる「すなお農園」の屋号を掲げ横浜市泉区内の数か所で営農されております。新規就農の際に吉田さんから研修指導、その後も現在までサポートを受けている方で4〜5月から吉田さんに代わってこだま舎へおいしいお野菜を届けて頂くことになります。少し前に吉田さんより引継ぎのご提案があり今回の見学に併せて森さんへご挨拶の機会を頂きました。そこには吉田さんの有機農業普及に対する並々ならぬ熱意を感じた次第で、援農を掲げるこだま舎としてはもちろん快くお引き受けしました。「植物の望む畑にしていきたい」と意気込む森さん、いったいどんなお野菜が僕らの口に入ってくるのか今から待ち遠しいですね!

 


 

植物を健やかに育てる為には?

 病虫害の防除には物理的に守る防虫ネット、ビニールシートを地面に張って太陽熱で土中を蒸らして消毒を行うなどの方法があります。また土壌そのものを良い状態にしておく事で病虫害の防除になります。この良い状態に必要になるのが有機農業のキーワードにもなる“腐植”です。腐植は微生物の働きによって出来る分解途中の有機物の残りかすで、養分を多く含むほか土中のpH濃度の調整や有害な重金属を吸着したり、水もちや水はけが適度に良い土壌にしてくれます。前回掲載の写真左は吉田さんの畑で作っている腐植で色は黒く、少し掘り起こせばミミズや小さな虫の楽園が現れます。触らせてもらいましたが温かく柔らかかったです。こだま舎の米ぬかを加えて発酵を早めているそうです。この腐植を発酵させたコーヒーのかすや鶏ふんなどの有機肥料と一緒に作付けする前の土壌にたっぷり混ぜ合わせてお使いになるそうです。土壌検査の結果、他の農園と比較すると腐植の割合は多いとの事=微生物の活動が盛んになり、耕さなくても土壌が柔らかいと吉田さんは推測されていました。

 

おわりに

 今回の農園の見学は僕に多くの経験を与えてくれました。食べる対象としての野菜に農業という背景が加わりましたし、インタビューを行って記事にするという経験自体も初めてだったので大変勉強になりました。今後もこういう機会を作って生産者の方々から生のメッセージを受け取り、それを皆様に橋渡しして行きたいと思っております。

 

author:こだま舎, category:-, 15:02
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